なぜ明治維新史を修正せねばならないのか(一)
平成30年(2018年)は、明治元年(1868年)から満150年の年であった。まずは少し遡って、安倍晋三首相による平成30年1月1日の年頭所感から以下の言説を引用してみたい。 150年前、明治日本の新たな国創りは、植民地支配の波がアジアに押し寄せる、その大きな危機感と共に、スタートしました。国難とも呼ぶべき危機を克服するため、近代化を一気に推し進める。その原動力となったのは、一人ひとりの日本人です。 一国の首相がこれから目指すべき日本のモデルであると設定するように、明治維新史は第二次世界大戦期の歴史とは対照的に現在までサクセスストーリー(成功物語)として描かれてきた。しかし、対外危機を強調し、…