スタニスワヴァ・プシビシェフスカ『ダントン裁判』感想
スタニスワヴァ・プシビシェフスカ『ダントン裁判』の英訳版を読んだ。 nupress.northwestern.edu アンジェイ・ワイダ監督の映画『ダントン』の原作だが、映画化にあたりかなり改変を加えているため共通しているのは3割程度だろう(体感)。 プシビシェフスカはポーランドの劇作家でロベスピエールの熱狂的崇拝者だった。作者は幼い頃からこの人物に魅力を感じていたらしいが、作品では20世紀前半にロベスピエール再評価(と裏返しのダントン批判)を進めた歴史家アルベール・マティエの影響を大いに受けている。 台詞回しの巧みさや深刻な物語に笑いどころを付け加えるユーモアセンスなどが優れた文学作品であり…